本ブログで何回か触れてきましたが、僕はTestDaFを受験して、ドイツの大学に必要なドイツ語能力証明をゲットしました。
仕事しながら何回も受けたので、一応経験値はある方です。
なので、TestDaFの受験を考えている皆さんに、少しでも役に立つ記事をお届けしたいと思います。
今回は聴解パートの解説と対策です。
問題形式と時間配分
聴解の大問も、読解と同様3つ、合計60分で解きます。ここでも、残りの10分は、問題用紙に書き込んでいた自分の回答を回答用紙に書き写すだけの時間なので、実質は50分で解くことになります。
聴解の場合、聴こえてくる問題を理解し解いていくスタイルということもあって、時間配分はTestDaF側にコントロールされています。ですので、あと何分だからこれだけのスピードで解かないといけない、というプランニングをする必要はありません。ていうかそんな余裕ないのが本当のところです。
解く前にマーキング
聴解においては、オーディオが流れてくる前に問題文を読む時間があります。読解と違って、オーディオのテキストが目に見えるわけではないので、ここをいかに読み取るかが正答率を上げるカギになります。
勝手に問題文を読み始めない!
問題文を読むのは、オーディオが指定するタイミングに従わなければいけません。それより前に読み始めると、試験官から注意を受ける、もしくは一発退場になるので絶対に先走らないようにしましょう。
余白をメモ代わりに使う
オーディオの本文パートは、3問中2問で一度しか流れません。落ち着いて聴けばそこまでややこしくはないのですが、やっぱりテストの緊張感がプレッシャーになって、シンプルに聴いただけでは内容の理解があやふやになってしまいます。
なので、問題用紙の余白を目いっぱい利用して、重要だと思う単語や文章はきっちり残しておきましょう。一つの大問の時間内に回答を全部書ききれなくても、最後の10分で仕上げるときに助けになるはずです。
大問1 日常会話 単語、短文で回答
奨学金、インターンシップなど学生生活におけるテーマを取り上げて、学生二人、もしくは学生と大学の職員が二人で会話しています。問題文に合わせて、単語、短文で回答を書き込みましょう。
全8問ある問題文は、オーディオで本文が始まるまでの45秒読むことができます。オーディオは1度しか流れないので、問題文で内容をなんとなく把握して、本文パートで流れをつかみ、その後の30秒で自分の回答を整理するという感じです。
大問2 インタビュー 正誤判断
学術的、社会的テーマのインタビューを聴いて、問題文の正誤を判断します。ここも大問1と同様に登場人物は二人ですが、やはり会話ではなくインタビューということもあって、一人が喋る文章は長めです。
それでも慌てないで。今回はいわゆる○×問題であり、文章や単語で回答する必要はありません。なので、問題文を読む、メモをとるという作業をきっちりこなしてください。特にここはメモがあると非常に楽になります。
問題文は全9問、本文が始まるまでに1分25秒、問題文を読む時間があります。これもオーディオは1度だけ流れるので、始まったら余計なことを考えずに、聴いて、書くことに集中しましょう。
大問3 講演 単語、文章で回答
大学の講義、学会をモチーフにした、学術的テーマを誰かが一方的に喋っているのを聞いて、問題文を単語、もしくは文章で回答します。ノンストップのお喋りを聴くので、区切りが分からず混乱してしまうかもしれません。
ただ、この問題に限っては、オーディオの本文は2回流れます。なので、1回目に聞き逃した単語は2回目にリカバリーするというつもりでいれば、少し気が楽になるのではないでしょうか。
問題文は全7問、本文の前に問題文を読む時間は1分15秒です。また、1回目と2回目の本文の間にまた1分インターバルがあるので、そこで1回目に聞いた内容を整理することもできます。
おすすめ対策教材
まず不可欠なのが、いわゆる模擬テストになっているHueber社の “TestDaF Musterprüfung”シリーズです。本当は1から5まであるのですが、2024年1月現在、数冊品切れがあるようです。とりあえずはあるものを購入してテスト慣れしておきましょう。
次に紹介したいのは、Fabouda出版社の”TestDaF-Training 20.15, Vorbereitung auf den Test Deutsch als Fremdsprache”です。
読解から会話までの全パートの問題構成、解き方解説、解き方に慣れるためのトレーニング、模擬テストを1冊にまとめています。特に解き方解説とトレーニングは、それまで分かっているようで見落としていた解答のプロセスを整理するのに非常に役立ちました。
ただ、7年以上前と比べて、価格が高騰しまくっているので、むやみに買えとは言えません。それでもこれのトレーニングパートのおかげで、TestDaFの解き方の基礎を作ることができたので、その効果はすごいと今でも思います。
※これらの教材は、TestDaF対策の記事全部で紹介します。
リスニングの耳を作るオーディオ
上記は読解、作文、会話も合わせた対策教材ですが、単にドイツ語がわかる耳を作るために、僕が利用していた無料サービスもここで紹介しておきます。
Deutsche Welle (DW)
ドイツのニュースや、日常的なテーマをオーディオで聞くことができます。ニュースを普通のスピード、もしくはゆっくり流すオプションがあったり、DeutschkurseではCEFRレベル別にデータを検索できたりで、段階的にドイツ語に慣れていくことができます。
また、Deutschkurseのオーディオには、本文のスクリプト、DWが作成した小テストも盛り込まれていることがあり、ちょっとしたドイツ語テストの対策にもなります。
Podcastは、Appleをはじめ、Sportify、Googleでも提供されているようなので、オーディオを聴くための選択肢は結構あります。
Easy German
以前ブログで紹介した、YouTubeのドイツ語チャンネルです。ベルリンの街中で、道行く人にインタビューをするスタイルを主としています。全編ドイツ語ですが、チャンネルオリジナルの字幕がついていて、文章でも内容を追えるので、リピートがしやすくドイツ語の学習に役立ちます。
あっという間に最後まで
集中していても、できなくても、オーディオが一通り終わると、残り10分の回答整理時間を残して、聴解パートは終了です。聴解の対策って正直市販の教材だけではしにくいところもあるので、上で紹介したような無料サービスを使って、ドイツ語が話されている環境にできるだけ慣れて本番に臨みましょう。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
別のブログも読んでいただけたらうれしいです。
んでは、また~。
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