ドイツの大学に出願するために、ドイツ語能力を何らかの方法で証明しないといけないとなったときに挙がる資格試験の一つに”telc Hochschule C1“というものがあります。
ドイツ国内でのみ受験可能なので、ドイツで大学の出願準備している人向けの記事になりますが、該当する皆さんはぜひ参考にしてください。
記事を書くにあたり参照したのは、telc事務所の概要ページ
語学学校aleduのtelc Hochschule C1の概要ページ
Einfach zum Studium!: Deutsch für den Hochschulzugang: Deutsch für den Hochschulzugang, Lehrbuch mit Audios, C1
Einfach zum Studium: telc Deutsch C1 Hochschule (トレーニング教材)
Pruefungstraining. telc Deutsch C1 Hochschule
Prüfungstraining: telc Deutsch C1 Hochschule (模擬試験)
です。
今回は聴解編の解説をしていきます。
問題形式と時間配分
telcの聴解は、大問3問を40分で解きます。読解パートと違うのは、選択問題だけでなく記述で回答するべき問題も出てくるので、自分で回答の形を考える必要が出てくる点です。
また、すべての問題のオーディオが流れた後、5分ほど自分の回答を見直す時間があるので、特に記述問題に関して回答を整理することができます。
第1問 発言者の意見を見つける
オーディオが始まる前に1分、問題文に目を通す時間があります。これを利用して、どんなテーマが取り上げられるか、どういう意見があるかをなんとなくつかんでおきましょう。
これらは、オーディオの中のインタビュー、もしくはディスカッションで各発言者が述べる自分の意見になり、8問前後あります。各問題文は1文ずつなので、合計8文ぐらいです。
オーディオは1度だけ流れるので、落ち着いて内容を理解しましょう。
皆さんは発言者がオーディオの中で言っていることが、どの問題文に合致しているかを見つけて回答します。問題文の中には、誰の発言にも当てはまらないダミーが2つほどあるので、注意してください。
第2問 内容照合
問題文の選択肢を、オーディオが始まるまで3分間読むことができます。今回は第1問と違い、一つの問題文に複数の選択肢があります。なのでどちらかと言うと、選択肢の内容それぞれではなく、問題文で問われていることをメインに理解することをお勧めします。
オーディオはとあるメディアのドキュメンタリーで、ある人物、もしくは出来事について取り上げていて、1度だけ流れます。メモをとりつつ、回答していきましょう。
第3問 プレゼンの要約
数枚のスライドに分かれた問題が約10問あります。今までと違うのは、問題が文章形式ではなく、箇条書き、もしくは単語レベルでの記述になっていることです。皆さんには、まずこの問題を1分読む時間が与えられます。
次に1度だけ流れるオーディオを聴きながら内容を理解し、このスライドが完成するように、重要な言葉を抜き出して記述形式で回答します。オーディオは誰かのプレゼンテーションであり、必ずしも文章にする必要はなく、あくまでプレゼンのスライドの形に合うように回答していくことが求められます。
最後の問題だけ手直し可能
第3問のオーディオが終わると、5分だけ第3問の回答を整理することができます。これは第1問、第2問には適用されないので、それらは各々のオーディオが終わるまでに回答を終えるようにしておきましょう。
テストコードを書き忘れないで
聴解パートと次の作文パートの間に、6桁の数字のテストコードが記されています。これは回答用紙の指定の場所に、受験者である皆さんが書きこんで提出しなければならない重要な情報です。これを書いていないと、採点対象にならないので、ご注意ください。
telc自習用教材
冒頭でも紹介しましたが、参考書としては
- Einfach zum Studium!: Deutsch für den Hochschulzugang: Deutsch für den Hochschulzugang, Lehrbuch mit Audios, C1
- Pruefungstraining. telc Deutsch C1 Hochschule
の2冊をお勧めしています。
その他、役立ちそうな教材は以下の通りです。
自社アプリで語彙力トレーニング
telcは、C1受験者用に独自のアプリを開発しています。無料版で第1章だけ体験可能で、その後は有料のコンテンツです。参考書で勉強しているだけでも結構語彙力は上がると思いますが、とことん勉強したい、という方にお勧めです。
Android版
iOS版
リスニングの耳を作るオーディオ
普段からドイツ語の耳を作っておきたいという方には、以下リンクがお勧めです。前にTestDaFの解説でも紹介しているので、他にもあるという方がいらっしゃったら、ご提案も歓迎です。
Deutsche Welle (DW)
ドイツのニュースや、日常的なテーマをオーディオで聞くことができます。ニュースを普通のスピード、もしくはゆっくり流すオプションがあったり、DeutschkurseではCEFRレベル別にデータを検索できたりで、段階的にドイツ語に慣れていくことができます。
また、Deutschkurseのオーディオには、本文のスクリプト、DWが作成した小テストも盛り込まれていることがあり、ちょっとしたドイツ語テストの対策にもなります。
Podcastは、Appleをはじめ、Sportify、Googleでも提供されているようなので、オーディオを聴くための選択肢は結構あります。
Easy German
以前ブログで紹介した、YouTubeのドイツ語チャンネルです。ベルリンの街中で、道行く人にインタビューをするスタイルを主としています。全編ドイツ語ですが、チャンネルオリジナルの字幕がついていて、文章でも内容を追えるので、リピートがしやすくドイツ語の学習に役立ちます。
聴いて、メモして、回答
他の語学試験と同様、聴解パートはオーディオメインなので、自分で試験のリズムを作っていくのは難しい、というかほぼ無理です。与えられた情報をしっかりつかんで、自分の回答に落とし込んでいくことに集中しましょう。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
別のブログも読んでいただけたらうれしいです。
んでは、また~。
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