「タンデム」で気軽にドイツ語上達!②パターン解説と注意点

大学生活

前回、お互いに母国語を教えあうペアリング、タンデムについて解説しました。今回はそれを踏まえて、どういうやり方があるのかを軽く紹介しておきます。こちらは僕が体験してきた一例なので、皆さんはまた違ったやり方に出会うかもしれません。そんな時は教えてくれると嬉しいです。

3大パターン『喋る』『宿題』『漢字』

タンデムは、大体見出しの通り、喋るか、宿題を手伝う/手伝ってもらうか、漢字を教えるかの3つに分かれると思います。もちろん、どれか一つではなく、これらを組み合わせていろいろなことをやっていくこともできます。

喋りたい

(出典: Flickr “Talking” by Pedro Ribeiro Simões)

ドイツ人にとって、外国語がうまくなるというのは、やっぱり喋れるかどうかに大きくかかわっています。なので、タンデムパートナーを探しているドイツ人学生の多くは、積極的に話し合える人を求めています。多少つたなくて自信がなくても、そこは相手を頼りましょう。

そのテーマは彼らの趣味でもある、アニメ、漫画、ゲームといった、日本のポップカルチャーだったり、忍者、侍、将軍のような昔の文化だったりします。

(出典: Flickr “Ninja” by Seth Werkheiser)

日本の生活も割とポピュラーなテーマです。日本語を勉強しているから、やっぱり日本ってどんな国か気になるんでしょう。彼らも家では靴を脱ぐ、みたいな基本的なところはある程度知っていますが、コンビニであれ買える?というような僕らが特別意識してこなかったような細かいところを聞かれることもありました。

逆に僕ら日本人側は、ドイツに関して疑問になっているところをぶつけてみればいいのです。ベタですが、「毎日ジャガイモ食ってんの?」みたいな質問から、「メルケルさんって支持率どうなの?」という真面目なことまで、自分の語彙力を最大限に生かして会話のネタを増やしましょう。

たけしが生むジェネレーションギャップ?

ポップカルチャーになるのかどうかわかりませんが、1999年~2001年、2007年~2008年、そして2017年~現在に至るまで、なぜかドイツで3シーズンにわたって放送されている、1980年代後期の日本のバラエティ番組『風雲!たけし城(Takeshi’s Castle)』の話をよく聞かれます。

(出典: いらすとや)

当時の彼らよりだいぶ年上だった僕ですら生まれて間もない頃の話なので、なんのこっちゃさっぱりでした。彼らは「何で知らないの!?」とびっくりしていましたが、僕は『何でお前ら知ってんねん。』と心の中で呟いていました。逆にたけし城のことを調べて彼らに話を振ってみると、大喜びされるかもしれません。

時間配分に注意

これだけだと、ただ喋っているだけなので、ドイツ語と日本語を切り替えるタイミングをいつにするかがうやむやになってしまいます。タンデムは時間を決めてするものなので、ここからここまではドイツ語、それから最後までは日本語、という感じで取り決めて喋りましょう。

宿題したい

日本語学科の学生は、日本人に日本語の宿題を手伝ってもらいたくてタンデムパートナーを探すこともあります。ドリル、プレゼン、レポート、アンケート作成などなど、日本語で解決しないといけないけど分からないところを僕らに聞いてくるのです。喋りたいドイツ人なので、プレゼンの練習に付き合うことが結構あった気がします。

(出典: Flickr “Homework?” by Brian Bilek)

逆に僕の場合は、レポートを全部書いて、添削をパートナーにお願いすることもありました。最後にはレポートどころか卒論も添削してもらっちゃいましたけど。やっぱりドイツ人が直すドイツ語ってきれいやなぁと感心するとともに、タンデムでこんなことまでできるんかと感動していました。もっとも、ちゃんと信頼関係を築いた上で引き受けてくれたので、いきなりハイよろしくでは相手もいい顔をしません。

またある時、法律の授業でわからないところを聞いてみたのですが、これは法律の知識もちょっと必要だったので、ドイツ人でももともと苦手なこと聞かれるとあんまり効率的じゃない感じでした。

丸投げはお互いにマイナス

当然ですが、自分でできるところまではやることが前提です。皆さんも、自分で考えて、レポートなら書いてみる、プレゼンなら原稿を作るなどして、その上で分からないところや不安なところをパートナーに聞いて改善してもらいましょう。

逆にパートナーがほぼまっさらな状態で宿題を持ってきても、その後を全部引き受けるなんてことしちゃいけません。そんな時は、相手にちょっとヒントを出して自分で答えさせるなどして一緒に進めていくべきです。宿題なんだから、本当は自分でしないといけないところを人に助けてもらうということをしっかり認識することが大事です。

漢字書きたい

ドイツ語と日本語の大きな違い、それは文字の種類です。ドイツ語はアルファベットが基本ですが、日本語は平仮名、片仮名、漢字の3種類を使い分けます。その中で漢字はカッコいいらしく、タンデムとは関係なく中国語や日本語の漢字でのタトゥーを入れている人をドイツの中でちらほら見かけます。…意味わかってんのか、と突っ込みたくなるタトゥーもありますが。

(出典: いらすとや)

それで、そのカッコいい漢字をもっと知りたいという情熱的な人も中にいるのです。日本人でも書ける人は少ない、薔薇を超ドヤ顔で書いて見せたり、自分の名前を漢字にするとどの字を使うのか聞いてきたり、漢字を身近に感じたいという気持ちが溢れんばかりに目を輝かせてタンデムに臨みます。

彼らの中から痛いタトゥーが生まれないことを切に願う。

もしかしたら上級者向けかも

ただ、漢字だけでタンデムの間を持たせるのは結構きついと思います。また、これはどういう意味かと聞かれて、ドイツ語で解説するのは、こちらのドイツ語の語彙力が相当ないと難しいです。そして、このパターンだけだと、ただ漢字のファンである相手の日本語力は期待できず、会話はほぼドイツ語という状態になりがちです。それでも自分のドイツ語をより鍛えたいという方はチャレンジしてみましょう。

相性マジ大事

というわけで、僕が思いつくタンデムのメイン3パターンでした。自分がタンデムで何をしたいのか、どういう相手ならうまくいきそうなのか、人としての相性とは別に合理的な面でも考えて、あとはいろんな人と組んでトライアンドエラーで探ってみましょう。

柔軟な少数精鋭か、テーマごとに役割分担か

組み方としては、一人といろんなことをやるか、自分のやりたいこと一つ一つに対し、個別のパートナーを持つかです。

一人といろんなことをやるなら、その時自分がやりたいことをはっきりと伝え、相手のやりたいことも尊重できる信頼関係を築くことが大事です。自分と相手のバランスが一方的なものにならないように気をつけましょう。

各分野に分けてパートナーを組む場合は、予定を組むのがちょっと面倒ですが、目的が最初からはっきりしているので、密度高くドイツ語を鍛えることができます。

僕が最終的に選んだのは、同じ大学に通う日本語学科の学生二人です。どちらかと言うと上で説明した、一人といろんなことをやるスタイルでした。一人は同級生、もう一人も同級生でしたが、2年留年したので、カリキュラムは別でした。どちらかが忙しいときは、もう一人とやるスタイルで、まずはノープランで集まっていました。

(出典: Flickr “Café” by jonas01123)

街の中でカフェに寄ったり、ぶらぶら歩いてクラスの話、ゲームの話、お互い先に控えていた海外留学の話、留学後はそこで体験した話、将来の話など、流れに任せて話題を変えてだらだら喋るのが主ななんともゆる~いタンデムでした。時には彼らのプレゼンをチェックしたり、僕のレポートを添削してもらったり、真面目なこともしましたが、時々タンデムであってタンデムじゃないような楽なものでした。

…今思えば、あれはただ友達と遊んでただけだったような気がしないでもない。

まいっか。

ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!

別のブログも読んでいただけたらうれしいです。

んでは、また~。

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