ドイツの住民票を無事にゲットした、ということでそれを使ってようやく生活の基盤を整え始められます。
今回は銀行口座開設について。必要書類は日本国籍ならこの住民票とパスポート、入学証明書(Immatrikulationsbestätigung)のみです。ここまで来たら全部持ってるやつですね。
どこでもいいから銀行に書類を持って行って、口座を作りたい旨を伝えましょう。
学生の皆さんは、Girokontoと呼ばれるいわゆる普通預金口座を開設することになります。
あとは係の人に従って銀行のカウンターか、接客用のテーブルで手続きを進めていけば口座はとりあえずできます。
ここまででおよそ30分。キャッシュカードが届くまでは1週間ぐらいです。
ここに必要な金額を入れて、滞在許可申請時に必要書類として残高証明を提出するので、ドイツに着いてからなるべく早く開設しましょうね。
以上!
ここまで読んでくだs
…というのはどうやら昔話のようです。簡単にできるときに留学しといてよかった…。
本編始まるよ(勢い)!!!
もうGirokontoでは通じない!Sperrkontoって何?
ネットで辿れる限りでは、2018年秋学期ごろから、ドイツの大学に通う、かつ奨学金やドイツで資金援助してくれるつてがない全ての外国人学生は、滞在許可申請を目的にしたドイツでの銀行口座を自分で開設する場合、GirokontoではなくSperrkonto(閉鎖口座)と呼ばれるなんか特殊な響きの口座を開設しないといけなくなったようです。
Sperrkontoじゃないとだめ、という自治体はベルリンをはじめそれ以前にもちらほらあったのですが、まさかドイツ全土になっているとは…。
参考にしようと、いろいろなドイツ留学応援サイトを回ったのですが、これ以上にうまい訳し方は見つけられませんでした。
で、これGirokontoと何が違うの?と思うところなんですが、まずSperrkontoから直接お金が引き落とせるわけではありません。ざっくり流れをまとめると、
1.Sperrkontoを日本にいるうちに開設する。
2.ドイツ政府が定めた、ドイツでの学生生活に1年間で必要とされる生活費と口座の開設費をSperrkontoに振り込む。
3.ドイツでGirokontoを開設する。
4.GirokontoのIBANとBICをSperrkontoの管理先に伝える。
5.SperrkontoとGirokontoが繋がって、毎月Girokontoにひと月分の生活費が振り込まれる。
ということなので、Sperrkontoと、結局のところGirokontoは開設しに行く必要があるようです。
そして、これが二つ目の重要なポイント。ひと月に使える額が制限されていて、それ以上使おうとしてもSperrkontoの口座から送金を指示するすることはできない(=gesperrt)のです。外国人学生が浪費しないでちゃんと生活できるようにと設けられてる口座ですね。あとは金融機関によりますが、開設手数料が最大180€ほど必要になります。
後述しますが、2022年12月現在、現在外国人学生が生活に必要とされている金額は、ひと月934€です。これが、Sperrkontoにおける、基本的な引き出し可能な額/月になります。自治体によっては(多分南ドイツ)それより高くなることもあるようです。でもここまで必要になることはあんまりありません。あくまで家賃次第ですが…。
開設方法を解説!
とにもかくにも口座は開かないとお金が引き出せないし、滞在許可が申請できません。こちらで調べられる限りSperrkontoの開設方法を掲載します。
必要書類
Sperrkontoは入学証明書(Immatrikulationsbescheinigung)をもらった時点でどこからでも申請可能です。つまり、日本に居ながらにして申請そのものはできるということです。
必要書類はGirokontoとほとんど同じですが、この時点ではドイツで住民登録をしていないので、
・入学証明書 証明書があるならそちらを優先しましょう
・パスポート スキャンしてPDFもしくはJPEGファイルにしておきましょう
の2点がスタンダードです。
また場合によっては
・国際郵送用封筒
・財源証明書 英語、もしくはドイツ語表記
も要求されます。
そして、Sperrkontoを実際に使えるようにGirokontoをドイツで開設しなければいけないので、入学証明書、パスポートの2点に加えて
・住民票
もドイツに到着してからなるべく早く取得できるようにしましょう。
なんだかんだ言って、ドイツでお金使えるようになるのは住民票取ってから。
開設できるのは一部の銀行のみ!
ドイツにも、いわゆるメガバンクや地方銀行、オンライン銀行と、日本と同じように様々な銀行があります。ただ、Sperrkontoは全ての銀行で開けるわけではないようで、メガバンクだとドイツ銀行(Deutsche Bank)のみで開設できるという確かな情報があります(2020年7月現在)。
では、どの銀行でSperrkontoを開設できるのでしょうか。こちらの表をご覧ください。
銀行名 | 経営形態 | パスポート | 住民票 | 初期費用 | 維持費 | 申請方法 |
Deutsche Bank | メガバンク | 要 | 要 | 150€ | 6,9€/月 | 紙媒体 |
Fintiba | オンライン | 要 | 不要 | 89€ | 4,9€/月 | オンライン |
Coracle | オンライン | 要 | 不要 | 179€ | 60€/年 | オンライン |
Expatrio | オンライン | 要 | 不要 | 149€ | 4,99€/月 | オンライン |
ドイツ銀行はメガバンク、その他3軒はオンラインバンクです。今回はドイツ銀行について詳しく解説していきます。
ドイツ銀行でのSperrkonto開設方法
ドイツのメガバンクで唯一Sperrkontoの開設ができるドイツ銀行は、上記のどの銀行よりも歴史が古く、他のオンライン銀行よりも安心感があるのは共感しやすいところです。
リンクから、マニュアルに従ってPDFの申込用紙に必要事項を記入し、印刷したら、在日本ドイツ大使館/総領事館に
・パスポート
・入学証明書
・貨物輸送会社(UPS、Fedex、DHLなど)による国際郵送用封筒
・ドイツ政府が取り決めた1年分の生活費が入っている財源の証明書
以上4点と共に持って行きます。財源証明は、残高証明、奨学金の証明書、小切手(いずれも英語、もしくはドイツ語表記)など、その額が十分に証明されていれる必要があります。いずれも発行3か月以内のものが有効です。
大使館/総領事館で申込用紙を公証してもらったら、その場でそのまま書類を提出しましょう。無事に開設されたら、ドイツ銀行から申込用紙に記入した連絡先(日本の住所 or Eメール)に通知されます。開設可否のための審議で大体4週間ほどかかるので、通知はメールにしてもらう方がいいでしょう。この時点でIBANとBICを取得します。
通知を受け取ったら、この口座にお金をユーロ建てで振り込みましょう。
ここに、ドイツ連邦が定めた学生生活に必要な金額の1年分を収めて、学生向け滞在許可申請時に預金額がしっかり確認できる状態で残高証明を見せなければいけません。2023年1月から、最低11,208€がこのSperrkontoに入っている残高証明が、滞在許可申請に必要な書類の一つとされています。
自治体によって金額が上乗せされることもあるみたいです。ご自分の街の外国人局、もしくは街が所属する州の滞在許可申請関連のウェブサイトを参照して、金額を調整してください。
振込額は、生活費とドイツ銀行に支払う開設手数料150€を加えた総合計です。最速で2営業日で振込完了になりますが、余裕をもって一週間ぐらい見ておくべきだと思います。
日本でできるのはここまで。あとはドイツに行って、口座を開放(Aktivierung/Serviceauftrag)してもらいましょう。
Serviceauftragの申請書(署名入りオリジナル)
パスポート、入学証明書、住民票(いずれもコピー)が必要書類となります。
全ての書類をこちらの宛先に送って、ドイツの住所にキャッシュカード、オンラインバンキングのアクセスデータを含む書類が郵送されたら手続きは完了です。
DB Privat- und Firmenkundenbank AG
Alter Wall 53, 20457 Hamburg, Deutschland
メリット・デメリット
ドイツ銀行を選ぶ利点は、メガバンクであり、大学があるドイツの街にはほとんどと言っていいほど支店があるので、何か困ったことがあれば職員に直接聞きに行けるという安心感です。
反映に時間がかかることはあるかもしれませんが、問題を報告すれば原則すぐに解決のための準備をしてくれるし、次に何をすればいいのかが一番早く分かるでしょう。先ほど紹介した、Serviceauftragの手続きも不安だったら、街のドイツ銀行の支店に書類を持って行って相談すると確実性が増します。
デメリットは、とにかく手続きがややこしいことと、時間がかかること。日本にいるときも忙しく、申請しても入学シーズンになると開設までに4週間以上かかるケースもあるとドイツ銀行自身が認めています。
ちゃんと準備して、合格した後ドイツに行くまでに時間に余裕があるならおすすめ!
次に紹介するオンライン銀行3軒に関しては少なくとも日本で行かなければならない場所はありません。それにオンラインなら申請してから大体24時間以内にはSperrkontoの開設手続きは終了しています。
なのでドイツ銀行は、大学合格が学期始まりギリギリになってしまったら、自ずと選択肢からは外れることになります。
また、日本では東京・赤坂に営業所がありますが、法人向けなので、日本語でアドバイスを受けられることはないと思った方がいいでしょう。
Sparkasse あるかも?支店による?
ドイツ銀行に並ぶメガバンクの一つ、Sparkasseでは、Sperrkontoについて言及したページがありますが、あくまで支店、もっと言えば自治体の方針によって有無が分かれるというところまでしか言及されていません。
あとはここのページから、もしくは現地で直接聞いてねってことらしいです。ぶっちゃけこんなページなら作るなとは思いますが、ドイツ銀行も他のオンラインバンクもダメだった場合頼ってあげてもいいんじゃないでしょうか。それまでに解決しているはずなので、まぁ無視しておいていいです。
却って不安を煽るような案内はやめていただきたい(怒)。
時間が勝負!
とにかく急ぎましょう。ここまで来たらやるしかないのです!夢の足元はお金が支えていることを忘れないでください。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
別のブログも読んでいただけたらうれしいです。
んでは、また~。
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