学生定期「ゼメスターチケット」で交通機関乗り放題!

大学生活

ドイツの大学に入学すると、市内外の公共交通機関がその1枚で乗り放題になる学生定期、ゼメスターチケット(Semesterticket)が支給されます。学生になって得られる神器クラスのアイテムの一つと言っても過言ではありません。

2つのメリット

ゼメスターチケットの何がそんなにいいのか。大きく2つに分けると、乗り放題、安い、です。これからその点を簡単に説明します。

1.乗り放題

まず冒頭でも説明した、公共交通機関が乗り放題になる点です。市内バス、Sバーン、Uバーンはもちろんのこと、市や州によっては隣町やはたまた外国までこれを使って区間快速のRB、REで行けてしまうほど有効範囲を広く定めているところもあります。IC、ICEは原則対象外なので、区間内だからと言って間違えて乗らないように気をつけましょう。

(出典: Flickr “IMG_1848” by Flowizm …)

ニーダーザクセン州最強説

僕の大学があったブレーメンは、他の州の支配下にない自治都市ではあるものの、地理的にはニーダーザクセン州に囲まれています。そして支給されたゼメスターチケットはニーダーザクセン州全域で有効でした。

なので、ハノーファー、オルデンブルグ、オスナブリュックなど、州内の大きめの都市に行けたのはもちろんのこと、ハンブルグ、カッセル、ノルトライン・ヴェストファーレン州のミュンスターといった、州に隣接している有名な都市にも足を延ばせたのです。これを利用してめっちゃハンブルグ行きましたよ。アイラブ港町。

エルベ川波止場

さらに!オスナブリュックを通って、隣のオランダまで行くことも可能でした!ブレーメンからだと時間がかかりすぎるので結局卒業までゼメスターチケットを使って国境を越えることはありませんでしたが、こんなこと日本じゃありえないですよね。(すべて2019年8月末当時)

一方ハンブルグやミュンヘンでは市内のみのゼメスターチケットを支給されているという話も聞いたことがあります。あんなに大きいから、市内で全て事足りるという考えなのでしょうか。真偽は分かりませんが、とにかくブレーメン、ニーダーザクセン州の学生はドイツの中でもかなりゼメスターチケットの恩恵を受けているに違いありません。

2.安い

乗り放題ってことはそれなりにお金かかるんじゃないの?と、思うかもしれませんが、心配ご無用。確かに他と比べるとニーダーザクセン州のゼメスターチケットは高い方でした。それでも1枚200€程しかしません。

ゼメスターチケットと呼ばれる通り、1セメスター=1学期=約半年有効なのです。これで通学はおろか、ふらっと他の街に行けてしまうことを考えれば、大したことないです。

(出典: いらすとや)

例えば、ブレーメン市内で有効な乗り放題マンスリーチケットを買おうとすると、学生料金でもひと月50€近くします(2020年7月現在)。これをゼメスターチケットと同じ期間だけ使うと考えた場合、50×6=300€もかかってしまいます。

そのうえちょっとハンブルクやハノーファーに行こうとすると、1回で往復50€ぐらい飛んでしまうので、ゼメスターチケットがどれだけお得か分かってもらえると思います。

チケットは自分の大学がある地域の有効範囲でのみ使える

少し脱線しますが、ゼメスターチケットはその街の大学に在籍している学生にしか支給されません。ドイツでは、大学のカリキュラムの中にインターンシップが義務付けられていることが多く、他大学から来たインターン生のために、その街の市内交通を運営している企業がマンスリーチケットなどの期間が決まっている定期券に学生料金を設けているのです。

2024年以降はドイツ全土で使えるかも?

2023年11月末、ドイツ政府がゼメスターチケットをグレードアップして、ドイツ全土の高速列車以外で使えるようにすることを協議しているという報道がありました。

https://www.tagesschau.de/inland/deutschlandticket-studierende-100.html

これは、2023年5月からドイツの各地域公共交通機関から発売されている、Deutschlandticketと同等の機能を持たせるということになります。Deutschlandticketは通常49€/月なのに対し、ゼメスターチケットはその60%である29,40€/月になるように話を進めているようなので、明らかにお得なのです。

早くて2024年夏学期からの適用になりますが、実際どうなるかは、またこのページを更新する形でお知らせします。

要らないときは休止届

逆に言うと、皆さんのカリキュラムにインターンシップや海外留学が組み込まれている場合は、ゼメスターチケットを持っている意味がありません。単位を取る上で、自分の大学がある街を出なければならないとき、また正当な理由で休学するときは、ゼメスターチケットの支給をその期間だけ止めることができます。

僕の大学では、学生サポート団体のASTAが管轄でしたが、生協だったり、入試課かもしれないので、ご自身で調べて、担当に相談してください。

運営費を納める前に申請!

ゼメスターチケットの料金は、次セメスターの学籍登録期限までに支払う大学の運営費と一緒に払います。運営費自体は、海外に行っても、インターンシップに行っても払わないといけません。

なので、休止届は学籍登録期限までに終わらせて、運営費だけを支払うように準備しましょう。やむを得ず、登録期限を超えてゼメスターチケットが次のセメスターで不要になると分かったときは、まず期限までに運営費とチケット代をまとめて払い、後で担当に申請することになります。ただ、返金処理は大学によって異なり、全額返金なのか、残存期間分返金なのか、また返金はしないのかは一概には言えません。

むしろ持っておいて、有効範囲内でばんばん使うのもあり?

僕の場合は、インターンシップが含まれていた次の学期の登録期限までに受け入れ先が見つからず、やむなくチケット代を含めた金額をまとめて支払いました。その少し後に、ベルリンの会社から受け入れ許可が出たので、ASTAに行って、学部のカリキュラム、ベルリンの会社とのインターンシップ契約書のコピーを提出して残りの期間のチケット代を後で返金してもらいました。

使えるだけ使い倒せ!

どうですか?こんなお得なことないでしょう。活用頻度は有効範囲に大きく依存しますが、普通に生活するうえで公共交通機関を使うだけでも、元を取れるようにできています。せっかく異国で勉強するんだから、外に出る理由を作って、できるだけチケットの効力を実感することをお勧めします。

(出典: Flickr “Clotram” by xommandedit)

ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!

別のブログも読んでいただけたらうれしいです。

んでは、また~。

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