僕が通っていた大学は、割とビジネスに特化しており、カリキュラムに国内の企業が絡んでくる授業がありました。
内容は大学と企業で相談して決めるとは思いますが、おおよそ授業をしてほしいとオファーされた企業の構想がもとになっています。
今回は、僕が受けた企業主導の授業、Hochschule Bremen大学、国際学部 観光マネジメント学科(+他学科)の”ラーナーズカンパニー(Lerners’ Company)“での体験を書いていきます。
第4セメスターのカリキュラムの一部
日本で言う大学2年生後期にあたる第4セメスターでこの授業がありました。僕が受けたのは2017年です。最初の授業では参加企業の紹介、それぞれでやるプロジェクトの内容、最後にプロジェクト選択といった流れでした。
その時参加していたのは、昔からある企業よりはスタートアップや創業10年以内といった割と新しい企業だった印象が強いです。ネットビジネス、ホテル経営、イベント運営など、観光マネジメント学科の卒業生が目指す就職先として候補に挙がってくるような業種で固めていました。
その中で僕はウェブマーケティングを商材にする企業と取り組む、ウェブサイト、コンテンツの作り方を学べる授業を選択しました。確か他学科からの参加生徒を含めて合計15人弱のグループだったはずです。
学生が作るウェブサイト
無事に配属され、改めて授業を仕切る企業の社長から我々がやるべきことが説明されます。ヨーロッパではメジャーなスタイルである旅客船でまわる、料金に全部込々のいわゆるパッケージ旅行ツアー(All Inclusive)のための、架空の予約ポータルサイトを作るためにチームで協力するというものでした。
架空とは言え、コンテンツになるツアーは実在するAIDAやTUIといった、ヨーロッパでは結構メジャーな企業のものなので、ドイツの学生なら利用したことがあるという人もちらほらいたし、存在は僕以外はみんな知っていました。
ウェブサイトを作るにあたって、サーバーの契約、旅行ツアーを予約するシステムの構築は企業側で済ませており、残されたコンテンツ管理システム(CMS)はContaoというものを指定されました。メインになるのは、このContaoを使ってウェブサイトの中身を作り上げていく作業でした。
チームでの役割
僕らはプロジェクトチームとなり、統括リーダー、広報、マーケティング戦略、コンテンツ管理などの役割を振り分けて、それぞれの作業に取り掛かります。統括リーダーならプロジェクト全体のスケジュール管理、広報ならSNSを使っての宣伝活動といった感じです。
僕はコンテンツ管理マネージャーとして、ツアーを開催する企業の画像や動画の使用許可を得たり、実際にどのメディアを使うかを決めたりしていました。架空のサイトを作るプロジェクトとは言え、一瞬でも世に出すものなので、著作権、肖像権にも気を遣う必要がありました。
プロの生きた意見も
授業で毎回経過報告を行うのですが、その時にここが遅れているから誰か手伝えないかとリーダーからの調整依頼があったり、ツアーの紹介内容にこんな文章、画像を入れてはどうかといった提案も飛び交いました。
学生間で結論が出ない場合は、基本的に監督役の企業の社長がプロの目線で、こうするための目的なら、A案を採用してはどうかなどと助言してくれました。ぼくはここがこの授業の肝だと思います。
学生だけだとどうしても闇雲になってしまう部分が出てきて、どこに進んだらいいのか分からなくなるところを、今まさにそれでビジネスをしている企業の人が自身の経験をもとに手助けしてくれるのは貴重な体験です。押しつけがましくなく、それでいて説得力のある言葉を聞くと、プロやなぁとなんか感心していました。
クラスでプロジェクト成果報告
そんなこんなでサイトが完成し、宣伝体制も整ったところで無事プロジェクトは終了。クラス全体に、自分たちのサイトの説明、プロジェクトの進め方などを発表しました。他のプロジェクトチームは、休暇用貸出住居(Ferienwohnung)をどんなものにするか、空港の運営をどうするかといったテーマで発表をしていました。
多分みんなある程度自分が将来やりたいことを見据えてプロジェクトを選んでいたので、心なしか楽しんでやっている顔をしているような感じでした。
僕は正直旅客船に人生で数回しか乗ったことがなかったので、それ自体に興味はなかったのですが、ウェブサイトを自分で作れるようになりたいと思っていたので、このプロジェクトを選んで正解だったと思います。今このサイトを作るのにもだいぶ参考になった部分があります。
最終成績通知
クラスでの発表が終わって、最後の授業でプロジェクトを主催していた企業の社長から、成績が記入されたプロジェクト参加証明書が渡されます。
最終成績は、プロジェクトへの貢献度、取り組んだ内容の実用性が加味されてつけられます。一人一人別室に呼ばれて、社長からその時点での見込が伝えられますが、それにモノ申すことも可能でした。僕は他に自分がプロジェクトのためにこんなことをしたとアピールして、成績を上げてもらいました。
言うてみるもんよ。
ビジネスにつながる経験値
ということで、僕が受けた授業”ラーナーズカンパニー(Lerners’ Company)”にまつわる僕の体験を書いてみました。将来の進路によっては、ダイレクトに活用できる知識を得られるので、それだけでもこの大学、この学部で良かったなと思いました。
他の大学のカリキュラムにも似たような授業があるかもしれません。インターンシップとはまた違った角度から、ビジネスを見るいいチャンスだと思うので、がっつり参加していきましょう。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
別のブログも読んでいただけたらうれしいです。
んでは、また~。
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