ドイツの大学から海外留学をするために、行きたい大学に応募して、無事合格を言い渡されたら、出国に向けての準備が始まります。僕はドイツからオランダに出たのですが、どちらにいるにしろ外国人という身分は変わらなかったので、ドイツからの出国、オランダへの入国のために結構時間を使いました。
今回は僕の体験から、留学においてEU内移動でも必要な準備について書いていきます。
住居探し
ドイツの大学に入る時にも手を焼いたこの手続きというか作業…。うっ、頭が…。
ここから受け入れ先の大学によって対応が変わります。
学生寮、学生専用アパートの用意がある
受け入れ先の大学が留学生向けの学生寮を人数分確保しているならラッキー、必要書類を提出して入居申し込みをするだけで終わりです。
…ところが世の中そうは甘くないことばかり。やっぱり大学もどれだけの交換留学生、私費留学生を受け入れないといけないのかは、学期開始が近くならないと把握しきらないことも十分あります。
この場合は、大学が用意している学生寮、もしくは借り上げのアパートの争奪戦です。僕はこのパターンでした。
裏の選考基準が明確にあるのかどうかはわからなかったのですが、表向きは先着申し込み順とのこと。僕は大学のポータルサイトに、申し込み15分ぐらい前から張り付き、パソコンの中にあるデジタル化した書類のポジションをチェックしながら臨戦態勢を整えていました。
時間になったら最速で申請を済ませ、空き部屋の枠にうまく滑り込めれば勝ちです。入居手続き完了の通知が届いたら、なくさないように保存しておきましょう。
自力で探す
争奪戦に敗北、もしくはそもそも大学が学生寮の類を用意していない、という場合は自分でアパートを探すことになります。留学先で知り合った別の交換留学生は、大学に寮以外で間借りできるところを紹介してもらったり、自力で短期で借りられるシェアハウスを見つけたり、割高になってもAirBnBに長期で住んだりと様々です。
オランダの家賃は学生向けでもドイツより高い印象がありました。それに加えてAirBnBとか無理ゲー過ぎ
ビザ申請
住居探しと並行して、学生ビザを申請する準備もしなければいけません。
オランダの場合は、
- 滞在許可申請書
- 留学先の大学の入学許可証
- パスポート
- 財源証明書 (僕はドイツの銀行の残高証明で済ませました。)
- 保険加入証明書 (ドイツ政府が公認している保険に入っていれば、オランダでも有効です。)
以上の書類を電子化、大学の学生課から送られるリンクを通してオンラインにて申請。発行完了後は、担当管轄に自分で取りに行くという流れでした。
おそらくEUだと大体こんな流れじゃないかと思いますが、EU圏外となると、ドイツにあるその国の大使館に行ったり、予防接種を数種類受けたり、その国の保険に入ったりするようです。
明らかにEU圏内で申請するより大変だと思うので、留学先の大学の学生課から情報をもらったり、自分でもある程度ネットで調べるなどしてしっかり準備しておきましょう。
ゼメスターチケット停止の申請
ドイツの大学にいないということは、毎セメスター支給されるゼメスターチケットを持っている意味がなくなります。
ドイツを出国する前に、学生課、学生生協などゼメスターチケットを管理している管轄に利用停止届を出しておくと、その間のチケット代が浮くのでお得です。
ドイツ近隣国への留学なら取っておいてもいいかも?
2023年11月末、ドイツ政府がゼメスターチケットを、ドイツ国内のICEなどの高速列車以外の公共交通機関が乗り放題のDeutschlandticketと同等の効力を持たせる見通しであるとメディアが報じています。
早くて2024年夏学期からの適用で、一か月29,40€になる予定なので、オランダ、フランス、オーストリア、ポーランドなどのドイツの周辺にある国に留学する場合は、敢えて利用停止をせずに持っておいてもいいかもしれません。
ドイツの住居から退去
冒頭で、受け入れ先の大学がある街で住居探しをしなければならないという話をしましたが、当然それと同時に、今住んでいるドイツの家を引き払うことも考えないといけません。
完全に引き払う場合、学生寮なら多少申告が遅くても次の住居人はすぐ入ってくるので、そんなにガミガミ言われないと思います。
そうではなく一般住宅に間借りしている場合は、どんなに遅くても退去の3か月前に大家に言っておかないと、家賃を余計に取られる可能性があります。
というのは、法律上、退去の申告はその物件の管理先に3か月前までに言っておくのが決まりで、たとえ申告した日付から実際に家を引き払う日付までがそれより短くても、物件の管理先は退去申告された日付から3か月分の家賃を借主に請求してもいいことになっているのです。
もし大家に相談して、次の入居者を探してもいいということになれば出費を抑える努力が自分でできます。なので、退去しなければならないという状況が明らかになったら、できるだけ早く大家に言いに行きましょう。
僕は海外留学とインターンシップで学生寮の同じ部屋を1年間空けてからまた戻りたかったので、後輩のネットワークを使って、僕の代わりにそこに1年住んでもらいました。こちらのリンクにもその件に関して触れています。よかったら参考にしてください。
ドイツの住民票は?
退去して、一時的とはいえど国外に出るので、住民票も抜くのが常識…なのですが、どうせまた戻ってくることを考えると、別に抜かなくてもいいんじゃないかという意見もあるのです。
特にもともとベルリンの大学に通っているなら、もう一回住民票取得のために予約を取るのが激ムズなので、律儀に抜くほうが却って面倒なことになりかねません。
テレビの受信料は支払い義務が発生する
ただし、ドイツの住民票をそのままにするなら、いわゆるドイツのNHKである、ARD/ZDFが徴収するテレビ、ラジオの受信料であるRundfunkbeitrag/ Rundfunkgebührの支払い義務は発生します。これが18,36€/月(2023年12月現在)なので、学生にとってはちょっと痛い出費ですね。
まぁベルリン以外に住んでいるなら、住民票を抜いたり取り直したりすることはそこまでの苦行ではないはずなので、ほとんどの人は普通に抜いてもいいと思います。
留学先によって複雑さは変わる
いざ書き出してみると結構なボリュームになってしまいました。それでも再三お伝えしたいのは、僕がした出発準備はまだ簡単なほうです。特にドイツからEU圏外に留学されるなら、学生課、受け入れ先の大学などとしっかり連絡して、必要な情報をもらっておくようにしましょう。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
別のブログも読んでいただけたらうれしいです。
んでは、また~。
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