有給使ってちょっとだけ夏休みに行ってきました。今回の旅行先は、ドイツの北部にある国内で最初に政府認定された自然公園、リューネブルガーハイデ(Lüneburger Heide)です。
ここにはエリカ属の紫色の小さい花が丘いっぱい絨毯のように広がるこの8月初旬から9月初旬のこの時期が、一年の中で最も人が集まります。夜まで明るいし、日没の時間に夕焼けを浴びるエリカの花を見に行くのもお勧めです。
砂地の花畑
ハイデ(Heide)は、英語でヒースと呼ばれる砂地が中心の地形、またそこに生えるエリカ属の花を指します。耕作や牧畜には本来不適なので、もともとは人が住むような土地ではありません。
だからこそ、過剰に荒らされることなく、このようにあたり一面紫一色になるほど花が育ったのかもしれないですね。
また、花が生えてくることが砂の飛散を抑えることにも役立っているので、土壌が痩せることも防げており、ここに生きる花にとっては最適な環境が保てているという点もあるかと思います。
ドイツ最古の自然公園
1912年、リューネブルガーハイデはドイツで最初に自然公園(Naturpark)として認可されます。国立公園(Nationalpark)と混同されがちなのですが、ざっくり言うと国立公園は、域内の自然をそのまま保つことを目的とし、自然公園は自然景観を人の手によって保全し、観光資源として活用するために指定された地理的空間です。
ということで、リューネブルガーハイデは景勝地としてドイツ国内でも歴史があり、100年以上も観光客を迎えているのです。
夏は無料のシャトルバスがある
さて、今回僕は自転車で公園の中を回ろうと思ったので、まずは電車でシュネフェアディンゲン(Schneverdingen)に降り、公園域内の中心になる自治体の一つ、ビスピンゲン(Bispingen)の宿を目指しました。
ルートはこんな感じです。
シュネフェアディンゲンの駅のすぐそばに、何かを載せる荷台を繋げたバスを見かけました。これはリューネブルガーハイデの公園を回る観光客が無料で利用できるシャトルバス、その名もハイデシャトル(Heide-Suttle(全5路線))。後ろの荷台は自転車のためのものです。
路線図はこちら(2023年8月現在)
例年7月15日から10月15日まで運営しており、宿が集まる公園内の主要自治区を結んでいるので、自転車や車がなくても、夏中は移動に困ることはありません。
景観を優先した環境
その時はバスが無料だと知らなかったので、一旦スルーして自転車で目的地へ向かいました。ただ、自然公園ということで、アスファルトの舗装は景観に影響を与えない最低限に抑えられており、そうでなければ石むき出しの砂に覆われたハイデのけもの道を進むしかありませんでした。
もう揺れる揺れる。
僕の自転車は山道向きのタイヤではないため、結構不安がありましたが、何とか宿まで持ちこたえてくれました。皆さんがもしリューネブルガーハイデを自転車で回りたいなら、頑丈なタイヤの自転車にするか、手動の空気入れを携帯することをお勧めします。最悪宿で貸してくれるとは思いますが、念のために入れときましょう。
そんなこんなで宿にチェックイン。家を出てからの電車と、電車を降りてからの自転車で多少疲れたので、部屋で1時間ほど休憩してから、すぐそばのハイデを中心に散歩し始めました。
デジカメと貴重品だけ持って、砂地に広がる草花を眺めながら歩いてると日常から切り離されていくような感覚を味わいました。言葉にはできなかったけど「あーいーなー。」みたいなことしか考えてなかったと思います。僕は観光するときも活気のある都会を選びがちなのですが、自然の中に入り込むのもいいもんですね。たまにはIQ2とかになってもいいじゃない。
軽装すぎると心細いかも
先ほども書きましたが、公園の中は舗装はされていません。なので、スニーカーよりかは丈夫なアウトドア用の靴があれば歩くのも安心です。また、短パンだと砂が靴の中に入りやすいので、どちらかと言うとデニムや長ズボンの方がお勧めです。
ミツバチも繁忙期
また、この時期のハイデは蜂が蜜を集めるためにそこら中を飛んでいます。ハイデの中は通路沿い以外は基本的に立ち入り禁止なので、そこからはみ出さない限りは襲ってくることはありませんが、羽音がめっちゃするので気になる人もいるかもしれません。
ただ、夏に行くなら、蜂だけではなく他の虫も飛んでいるので、虫よけはあった方がいいでしょう。
はちみつは秋以降
この時期にミツバチが盛んに飛んでいるということは、リューネブルガーハイデ原産のはちみつが取れるのですが、市場に出回るのは花のシーズンが終わる9月中旬かそれ以降だそうです。ちょっと気になるので、またどうにかして手に入れたいと思います。
スマホの電波はちょっと悪い
TelekomやVodafoneぐらいならさほど気にならないかもしれませんが、それ以外のキャリアのSIMカードを使った通信は正直よろしくないです。まぁホテルには大体WiFiがあるし、ハイデの中でそこまでスマホが必要ということもないしで、僕は特に不便だとは思いませんでした。たまには電波を遮断してゆったり過ごしてみてもいいかも。
夕焼けと一緒に楽しむのもあり
夏は特に、多少遅い時間に出歩いても十分明るく、夜10時ぐらいになると夕焼けをバックにハイデを楽しむこともできます。
また、この時間帯の絶景を狙って、写真を趣味とする人たちが数人で固まって三脚を立てて大きいカメラを構えてああでもない、こうでもないと議論しているのもちょいちょい見かけます。
ハンブルクの旅行の合間にいかが?
ハンブルクからリューネブルクまでは電車で40分、そしてリューネブルクからリューネブルガーハイデまでは、夏ならバスで30分ぐらいなので、日帰り旅行のプランとしてもお勧めです。想像以上に広大な砂地に広がる紫色を堪能してみてください。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
別のブログも読んでいただけたらうれしいです。
んでは、また~。
コメント