今回は、ドイツの学部大学出願で必要になる英語能力証明についてです。実はドイツの場合でも、英語の能力証明書を出願書類の一つとして挙げる大学は結構あります。
特にビジネスや、国際関係学部、また海外留学がカリキュラムになっている学部に出願しようと思っているなら、ドイツ語と並行してこちらも取得しておかなければなりません。レベルは最低でもCEFRのB1を必要としているので、英語に自信がある人なら、B2まで取っておいた方が有利です。
B1ギリギリの成績で英語の試験を切り上げてしまうのは、あまりお勧めできません。
英語の能力試験は、ドイツ語試験のように日本で片手で数えられるぐらいしか会場がない、ということはないので受験のしやすさは圧倒的ですね。
ということは、海外留学を考えていて、英語圏も視野に入れている方たちなら十分調べていることだと思います。なので、ここら辺の情報はなるべく簡潔に代表的な二つの英語の試験にに絡めて説明します。
今回は、英語圏留学の登竜門ともいえるIELTS(International English Language Testing System)についてです。
※もう一つの英語能力検定試験、TOEFL®についてはこちらをご覧ください。
IELTSというのは、ケンブリッジ大学英語検定機構、イギリス政府による文化交流機関British Council、そして外国人向け英語圏留学推進機構であるIDP Educationによって共同で開発された英語検定試験です。
日本では主要都市で受験可
日本の英検を受けたことがある方はちらっとでもその名前を聞いたことがあるかもしれませんね。IELTSのいいところは、英検の事務所、ホームページを通して試験の開催日程や、空席情報を確認して申し込みできるところなんです。2020年6月現在、英検を通して以下全国16都市の公式テストセンターでIELTSが受験可能となっています。
東京テストセンター:札幌 仙台 埼玉 東京 横浜 長野 金沢 静岡
大阪テストセンター:名古屋 京都 大阪 神戸 岡山 広島 福岡 熊本
残席状況一覧
日本語公式ホームページならもっと選択肢が広がる
もちろんIELTSの日本語公式サイトからも受験申込が可能です。こちらの情報はもう一つの運営会社、日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF)とも同一です。こちらでは上記の公式テストセンターに加えて、北九州市や大阪の茨木市などでも開催されていることが分かります。
日本の大学でも受験できる!
さらにさらに、IELTSは一部の日本の大学でも、在籍学生限定で受験することができます。また東京には2校だけ中高一貫校がリストに並べられています。中高生でこの試験受けるとかマジか…。
2020年8月、9月には、京都大学や立命館大学、津田塾大学が会場になっているようです。この場合学内メールで通知が来ていると思うので、案内があったら担当部署に問い合わせてみましょう。
ペーパーベースとオンラインベース
IELTSの試験は自分の手で回答を記入するペーパーベースと、2019年3月27日より開催されている、テストセンターのパソコンを利用して回答を打ち込むオンラインベースの2種類があります。受験スタイルそのものは個人の相性なのですが、もう一つ違うのは、試験結果が公表されるまでの待ち時間です。
従来のペーパーベースだと口頭試験日より13日後に結果をオンラインで確認できたのですが、オンラインベースだと口頭試験日から7日後には結果が分かるのです。公式の成績証明書は試験結果公表の後7日以内に受験者自身の選択により自宅またはテストセンターに郵送されるので、自ずとオンラインベースの方が受け取りは早くなります。
成績証明書が届くまで、ペーパーベースだと試験日から最長20日ほどかかることも予想されます。
早めに受験するに越したことはありませんが、ギリギリで受験しなければならない場合はオンラインベースの方がいいかもしれません。
アカデミック・モジュールを受けよう
IELTSには、アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールという2種類が用意されており、海外留学にはこのうちのアカデミック・モジュールを受験する必要があります。
作文までは休憩不可、会話は別日の可能性あり
IELTSの試験は、聴解(合計40分、見直し10分含む)、読解(60分)、作文(60分)、会話(~15分)の4分野で構成されています。聴解~読解までは、約3時間休憩なしの通しで試験が開催され、特に聴解のオーディオが流れているときは自主的なトイレ休憩も不可となります。
なぜそんな長い時間閉じ込めるのか理解はできませぬ。
試験前にはトイレに行って出すもの出しときましょう。東京、大阪で受験する際、会話のモジュールは、試験会場のキャパシティなどによって別日に設定されている可能性があります。
B2の成績を目指そう
冒頭で、ドイツの大学の学部に出願するには、英語の能力証明は最低でもB1が必要と書きました。そう、最低でも。学部によってはB2を要求するところもあります。IELTSでの能力判定基準は、0.5ポイント刻みで最高9.0で表記され、B1が4.0~5.0、B2は5.5~6.5です。
ただ、ご覧の通りB1の中でも優劣があり、学部によっては4.5以上を求められたり、やはり他の受験者との競争があったりということを考えるとB1を早めに取れたからと言って安心はできません。なるべくいい成績を出せるように、ドイツの大学の学部出願期限2か月前までは粘ることをお勧めします。
申し込むときにはパスポートの有効期限に注意
申し込みは先述の英検やJSAF、またIELTS日本語公式サイトできます。
・英検での申し込み:筆記試験日の19日前 12:00まで
①クレジットカード支払の場合:筆記試験日の3日前 23:59まで
②コンビニ支払の場合
ペーパーベースは、筆記試験日の6日前 23:59まで
コンピュータベースは、筆記試験日の8日前 23:59まで
JSAFと同様です。
IELTS IDというアカウントを作成したら、日程と会場、支払い方法をを選びましょう。申し込むときにドイツ語のTestDaFと同様に、試験当日まで有効なパスポート情報を入力する必要があります。つまり、パスポートを持っていないと受験できない仕組みなんです。2019年8月24日以降、試験会場にパスポートの原本と、試験官が保存するための本人の情報と顔写真が写ったパスポートのカラーコピー1部を持参する必要があります。
【非推奨】パスポートの有効期限がギリギリアウトの場合
申し込み期限(筆記試験当日から19日前の12:00正午)~試験当日までにパスポートの有効期限が切れそうなら、もったいない感じがするかもしれなくても新しいのに早めに変えておきましょう。
どうしても新しいパスポートがその間にしか手に入らないという場合は、一応筆記試験が行われる3日前の午前10時までに自身のIELTS IDでパスポート情報を更新したうえで、管轄のテストセンターにその旨をメールで連絡すればいいそうですが、あまりにもリスクが高いです。
支払いは日本円で
他の国際的な語学試験に申し込む際は、ドルやユーロなどの国際通貨で建てて支払わないといけないのですが、IELTSは一律25,380円と料金が定められているので、為替市場との無駄なにらみ合いをしなくて済みます(笑)。
再採点ができる?
試験の結果にどうしても不満があるときは、再採点Enquiry on Results(EOR)を申請することができます。読解だけなどの部分モジュール再採点でも、全部まとめての再採点でも一律9,000円~10,800円で受け付けられます。一律なのに料金に幅があるのは、どのテストセンターで受験したかによります。再採点を申請するモジュール数によって変更になるわけではありません。再採点の結果、実際にスコアが変わった場合は、この手数料が返金されます。
各テストセンターに筆記試験終了後に申請した後、指定の口座に料金を振り込んで受理されてから4週間ほどで結果が再度送られてきます。ただし再採点の結果をもう一度覆すことはできません。また、再採点前のスコアは、再採点申請時点から無効となり、新しい成績証明書が手元に届くまでどこにも提出できなくなります。
問い合わせ先はIELTSの公式テストセンターになります。
1.英検運営のテストセンター (筆記試験終了後39日以内、一律9,000円)
東京テストセンター: jp500ielts@eiken.or.jp
大阪テストセンター: jp512ielts@eiken.or.jp
問い合わせの後、
・再採点申請料振込の控え
・申請用紙(テストセンターの返信メールよりダウンロード)
2点を指定の宛先に郵送しましょう。
2.JSAF運営のテストセンター (筆記試験終了後42日以内、一律10,800円)
IELTS 公式テストセンター 東京(JP112)
TEL:03-6273-9356 FAX:03-6273-9357
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場 1-4-15 大樹生命高田馬場ビル 3F
IELTS 公式テストセンター 大阪(JP114)
TEL:06-6442-1106 FAX:06-6442-1107
〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島5丁目1-1 若杉西梅田ビル701
電話(大阪):06-6442-1106
・再採点申請用紙(“Enquiry on Results Form”)に必要事項を記入し
・成績証明書の原本
・申請費用の銀行振込控え
3点を同封しJSAFのIELTS公式テストセンター郵送します。
3.北九州予備校 IELTS公式テストセンター (筆記試験終了後42日以内、一律10,800円)
電話:093-383-8875(月~金曜/9:00~17:00)
メールアドレス:ielts.kitayobi@net.kitayobi.ac.jp
〒802-0001 福岡県北九州市小倉北区浅野1-3-27北九州予備校(出版部内)
北九州予備校Web決済サイト(北予備ネット)で、「再採点手数料」を選んで手数料を支払います。
※支払いの前に、成績票に押されているスタンプが「JP031 idp IELTS」であることを必ず確認してください。「JP031 idp IELTS」ではない場合、再採点の受付はできません。
準備コースや模擬試験も充実
IELTS公式サイトは、無料版、有料版で試験対策のサポートをしています。無料版なら模試や、25時間分の準備コースを、有料版ならモジュール特化のコースや試験官の採点付き模試のセットなど、なかなか手厚いです。
また、JSAFにもお役立ち情報として、試験対策コースの紹介がされています。IELTS公式サイトと同一の紹介もありますが、JSAF会員専用の、専属講師による対策コースも開講しています。
さらに、JSAFでも紹介しているオーストラリアのクイーンズランド大学による8週間無料対策講座もおすすめです。8週間も無料なんてどんな太っ腹や。(コースの修了証明書発行には99オーストラリアドル(≒約7,300円 2019年9月現在)が必要です。)
ただ、やっぱり自主的に勉強する時間も割いておく必要があります。こういった準備コースをメインにしつつ、書店でIELTS対策の教材を見つけて、自分でもコツコツやりましょう。Amazonにも、IELTSの対策教材がこんなにありました。下の画像をクリックして覗いてみてください。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
別のブログも読んでいただけたらうれしいです。
んでは、また~。
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