大学入学の前提条件にもなっているドイツ語試験も突破し、見事ドイツの大学生になった皆さんはこう思うでしょう。
「あれはスタートに過ぎなかったのだ…;つД`)」
そうです。僕たちは確かにドイツ語を勉強し、脳みそにeins, zwei, dreiを叩きこみ、それなりにドイツ語で現地人とコミュニケーションが取れるはず。
なのになかなかどうしてスラスラ喋りだせない!クラスメートの言ってることが分からない!プレゼンで緊張して言葉がこんがらがる!なんていう感じで、特に喋ることに対してなんかもう越えられない壁みたいなものを感じてしまうことが、現地に行ってから多々あるのです。
想定しきれていなかった現実
僕含め、日本で試験を突破した人たちは、当然ながらドイツ語の会話が身近じゃなかったですよね。それは英語もしかり。現地に着いて日本語でどうにかして思いを伝えるという選択肢がまるっきり使えない、絶望的な、でもよく考えたら当然の状況に愕然としました。
じゃあ現地の語学学校に通ったりして、大学に入る直前にある程度ドイツで生活してきた人なら問題ないんじゃないかと思いますが、ここに落とし穴が。
『ドイツ人のドイツ語に長く触れてきましたか?』
語学学校に通うドイツ人はいません(自明)。それ以外で使うドイツ語と言えば、買い物や語学学校の友達との拙さの残るドイツ語がほとんどです。
僕も喋るのがすごく苦手でした。読めるし、聞けるし、書けるのにどうしても口から言葉が出てこないのです。だからと言って黙ってるのもよくないと、頑張ってドイツ人の同級生に話しかけたりしましたが、そもそも生のドイツ人を前に緊張しすぎて言葉も支離滅裂になり、「はぁ?」とか「うん…。」みたいな歯切れの悪い返事を受けて、心ばっきばきに砕かれたことは数知れず。
大学始まって1カ月も経たんうちに「もう帰りたい」と思いました…。
「もうちょっと簡単なドイツ語で話しかけてくれる人がいたら練習できるのに。」と何度も思いました。
そんなあなたに使ってほしいシステム、タンデムを紹介しましょう!
タンデムって何?
「バイクの?」ノンノン。僕が言うタンデムっていうのは、外国人が自分の母国語を教えあうペアリングのようなものです。
たとえば、「語学学校で習った文法が分からない。」、「こんな時に周りにすっと通じるイディオムを教えてほしい。」そんな時に気軽に聞ける相手ができるのがタンデムです。逆に相手は日本語をもっと理解したいと考えていて、同じように分かりやすく日本語を教えてくれる人を探してきたので、いい関係を築いていけばちゃんとした友達ができることだって十分あります。
僕はドイツ語を習いたい日本人。ってことは日本語を習いたいドイツ人、もしくはドイツ語がめっちゃできる外国人がいれば、ドイツ語⇔日本語をお互いに教えることができるペアが生まれるんです。ドイツにはそこにルーツがなくても、ずっとドイツで育ってきたという人がたくさんいるので、必ずしもドイツ人にこだわる必要はないです。
タンデムパートナーの探し方
そういう相手はどうやって探すの?僕が紹介できるのは以下の5通りです。
1.日本語学科
通ってる大学に日本語学科があればすぐに見つかるでしょう。とにかく喋りたい人、漢字マニア、単純に日本人と仲良くなりたい人などタイプは様々です。大学に入って割と早めに知り合って、自分と相性のよさそうな人を探しましょう。
僕の通っていた大学にも運良く日本語学科があったので、いろんな人とタンデムをしてみて、最終的に二人に絞って会話を中心にそれぞれ日本語とドイツ語を教えあっていました。宿題のレポートや、プレゼンテーションのドイツ語をみてもらうのにも有効ですよ!
逆に彼らが日本語の授業でこなす課題を手伝ってあげればウィンウィンです。逆にただ街をぶらぶらしながらしょーもない話をしてるだけでもいいんです。大事なのは、タンデムの相手と会うときにドイツ語を使うんだ、という心がけです。
「いや日本語学科ってそれ大学選びにも関わるやん。やりたいこと優先したいけど、志望大学に日本語学科なさそうやねんなぁ。」という方もまだ方法があります!
2.大学の外国語学習センター
日本語学科がなくても、大学の中に外国語学習センター(Sprachzentrum)のようなものが設置されていることが多いです。ドイツには、実は独学で日本語を勉強しているという人がまぁまぁいます。
大学の名前と、Tandemと入力してネットで探せば該当のページが結構な確率で表示されます。その大学に入学していることが登録やマッチングの条件であることがほとんどですが、自分の大学だけじゃなくて、他の大学にも行ってみたいという方は、担当者に問い合わせてみましょう。割とすんなり受け入れてくれると思います。
3.大学の掲示板
大学の食堂近くや、ちょっと長めの廊下には学生が結構好き勝手に使っている掲示板を見かけます。(そうしていいのかどうかはわかりませんが。)
本を売ったり、バイトを募集したり目的は様々ですが、その中にタンデム募集の貼り紙もちらほら見かけます。連絡してもらうために、電話番号やメールアドレスを公表していることが多いのでちょっとリスキーですが、だれでもどうぞな方はむしろ自分でチラシ作って募集してみるといいかも。
※学生課によっていつの間にかはがされてるパターンもあります。悪しからず。
4.市民学校
市民学校(Volkshochschule)を通して見つけるのも一つの手段です。大学があるなら、どの街にも市民学校はあると言っても過言ではありません。ただ、日本語のコースがあるかどうかは保証しにくいところですね…。
その代わり市民学校は、ドイツ全土でネットワークを共有しており、タンデム専用のウェブサイトも設置しているので、自分の街に思ったようなパートナーがどうしてもいないと思ったらこちらを使って探してみましょう。
母語(Muttersprache)と、勉強したい言葉(Zielsprache)、最後に自分の郵便番号(PLZ)を入力したら条件にマッチする人が見つかります。
もちろん自分の情報を登録して相手に見つけてもらうこともできるので、最初のページの下の方にスクロールして、画像のようなところから登録してみましょう。
5.オンラインポータル TandemPartners
最終的にはこれが一番簡単かもしれません。”Tandem Sprache”で検索したらTandemPartnersというタンデムのためのマッチングサイトが出てきます。市民学校のサイトよりもたくさんの人が使用しているようなので、一応登録しておいて近くで会えそうな人がいたら会ってみるっていうぐらいの気持ちでいればいいと思います。
パートナーを見つけるのはスタート地点
以上がドイツの外国人学生として使えそうなタンデムパートナーを見つける方法5通りです。いいパートナーが見つかれば後は自分次第!と、言いたいところですが、タンデムをしたいという人の中にはいくつかタイプがあります。別記事でタンデムの代表的なパターンを紹介するので、そちらも参考にしてみてください。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
別のブログも読んでいただけたらうれしいです。
んでは、また~。
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