前回の記事、「後々使いまわせる!ドイツ用履歴書の書き方」で、職歴やボランティア活動に証明書があると、ドイツの大学の応募に有利に働くかもしれないということをちらっと書きました。
というのは、僕の大学もそうでしたが、ビジネス系の学部の場合、専攻に関連するインターンシップを経験していることが出願条件になっていることが結構あります。そりゃ職務経験があればなお強いですよね。なので、既に社会人経験があり、ドイツの大学に応募してみようという人は、会社に掛け合って英語で職歴証明書を発行してもらえばわざわざインターンシップに行き直す手間が省けます。
日本の会社で長期インターンシップを探そうとしている方は、こちらのページもご覧ください。
また長期のボランティア活動(ehrenamtliche Tätigkeit)が証明できれば、社会に貢献できる人という印象もついてきますし、そういう意欲がある人たちを対象にした奨学金にも応募しやすくなります。
期間や内容は一概には言えません。でも、単発のものや長くても3か月以内に終わってしまったものなら履歴書に書かない方が無難ですし、証明書もあまり効力を発揮しないでしょう。
なければ作るまで
まぁ…そんな証明書を用意している機関や会社あんまり日本にないですよね。と、いうことで自分で作っちゃいましょう!ドイツは書式よりも署名主義なので、フォーマットは自由で、最低責任者のサインが入っていればそれでオリジナルの書類であると認められます。ここでも履歴書と同じく、なるべくA4で2枚までに収めましょう。
ドイツ人曰く、「手書きの署名はその人にしか書けないから」だそうです。
また、一度自分ですべて書き終わったら、ドイツ語ができる知り合い、ドイツ語圏の友達に見てもらってカッコいい書き方に変えてもらうとなおよしです。
今回も、履歴書同様ドイツ人の友達プロデュースの職歴証明書フォーマットをPDFにてアップします。これに基づいてどうやって書いていったらいいかを解説いたします。(これを転用したい場合は、ご自身で書き換えが可能なファイルに変換してください。)
まずは1枚目から。
1枚目の最大のポイントは、自分が応募しようとしている学部や、将来的に会社に関係する業務を選んで簡潔に書くことです。営業活動、窓口業務、市場調査などなど、業務の見方を変えて、応募先に説得力を感じさせるようにリストアップすることを心がけましょう。
みなさんは1枚目の最後、「担当業務の中でも特に主導していたこと」と、「担当業務の中でも自分が最も会社に貢献していたこと」の違いは何だと思いますか?同じように見えて実はちょっとした違いがあります。
これは担当部署に同じ仕事をする人たちが複数いるときに使うのですが、前者は部署の中でも特に自分が中心になってやっていた業務、後者は社内でデータ化される業績と言ったところだと解釈しています。後者はほかの社員と比べることではなく、自分がやってきた中で特にこういう分野に貢献したと思うところを書きましょう。
次は2枚目。
最後に手書きの署名と、(できれば)会社印をもらうことを忘れずに。だめだと言われてしまっても、出願にあたって減点対象にはならないのであまり気にしないでください。あれば説得力があるねっていう話です。
2枚目は注意するところがほとんどないのですが、内容的には、「彼/彼女(自分)の人柄や、仕事に対する姿勢が真摯で会社/機関の運営の大きな力となった。これからの新しい環境においても、その心を忘れずに周りに恩恵をもたらしてくれることを信じてやまない。」みたいな、ありがたいコメントです(自分で書くんですけどねぇ)。
ここに責任者の署名が入ることで、この人が今までの内容を証明することを意味します。ぶっちゃけ恥ずかしい言葉が並びますが、そこは我慢してください。一時の恥です!!!!!
余談ですが、僕もこれに基づいて書いた職歴証明書を当時の上司に持っていったら「…こんなべた褒めコメント自分で書いたの?」っていう感じでちょっと引かれました(涙)。
当時のマネージャーの複雑な顔は今でも頭に残っています…
日本語訳も作っておこう
見ての通り、ご紹介した職歴証明書は全部ドイツ語です。責任者がそれだけ見て納得しないことも多いでしょう。そんなときのために、日本語訳、せめて内容を要約したデータも持っておいて責任者に要求されたらぱっと見せられるようにしましょう。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
別のブログも読んでいただけたらうれしいです。
んでは、また~。
コメント
自分がドイツの大学に進学する資格があるのかを一度uni-assistに書類を送って確認してもらいたいと思っているのですが、その場合はどのような手続きをすれば良いのでしょうか?出願と同様の手順をとるとそのまま出願されてしまったりしないでしょうか?
Taka様
コメントありがとうございます。
ご質問の通り、uni-assistが出願書類を審査し、出願資格があるとみなされると、ほとんどの場合そのまま受理されて志望大学に送られます。
また、一部大学ではuni-assistが発行する、Vorprüfungsdokumentation(VPD: 出願資格があることを通知する書類)を要求しているので、それと共に、すべての出願書類を送ることになります。
VPDに関してはこちらのページをご参照ください。
https://www.shimeji-in-germany.com/uni-assist-vorpruefungsdokumentation/
書類が出願の条件に満たない場合のみ、不足書類を後追いで出すように通知が来ますが、事前に資格があるかどうかだけを教えてくれることは残念ながらありません。
出願資格の有無は、ドイツにある志望大学、学部のホームページ、もしくは入試課(Immatrikulations-/ Zulassungsamt)に出願資格(Zulassungsvoraussetzungen)を問い合わせる必要があります。
しめじ