本ブログで何回か触れてきましたが、僕はTestDaFを受験して、ドイツの大学に必要なドイツ語能力証明をゲットしました。
仕事しながら何回も受けたので、一応経験値はある方です。
なので、TestDaFの受験を考えている皆さんに、少しでも役に立つ記事をお届けしたいと思います。
というわけで、最後の関門、会話パートの解説と対策になります。
問題形式と時間配分
怒涛の小問7つが待ち受けている会話パート。解答時間はたった30分です。
問題が読まれる時間、自分の準備時間、会話相手からの問いかけ、自分の回答というのが各問いに共通する流れです。
聴解の時と同様に、解答時間はオーディオの指示に従うことになるので、自分での時間配分ではなく、与えられた時間に十分に回答できるか否かが問われます。
問1 電話で問い合わせ
ドイツでの学生生活の中で興味を持った課外活動、または生活基盤に必要なことの詳細を知るために電話で運営団体に問い合わせるシーンです。
・簡単な自己紹介(もしもし、〇〇ですぐらい)
・電話した理由
・問い合わせたい内容(申請条件、支払うべき料金など)
以上3点を30秒で準備して、30秒で答えることになります。上二つはいいとして、問い合わせ内容をどうするかがカギですね。
問2 自分の故郷での状況
友達や同級生と話していて、こうしたいんだけど、あなたの国ではどんな感じなの?と尋ねられます。話し相手が何をしたいかは、例えば冠婚葬祭、仕事、旅行などが挙げられます。
準備時間、回答時間共に1分です。
自国の状況を事細かに知っておくべきというわけではありません。が、強調するべきところを押さえて、特徴がちゃんとわかるような内容に仕上げる必要があります。
問3 グラフの描写
ドイツ語コース、または大学の授業で出てきたグラフの説明、そして要約して傾向を発表する場面が想定されています。
グラフについては
・テーマ
・対象となっているデータ(区切り、単位)
・一つのデータの時間軸(何年の、何年ごとの?)
要約は
・傾向
・特徴的なデータ
以上を押さえて回答を作りましょう。準備時間は1分、回答時間は1分30秒です。
問4 制度に賛成?反対?
現在導入されている、またはとある社会問題を受けて導入が検討されている教育システムに対し、まずいいところと良くないところを自分なりに挙げて、その理由も後述します。それを踏まえて、そのシステムに賛成、反対どちらの立場をとるかを発表するシーンです。
上述のように、いいところ、良くないところ両方を例示する必要があり、かつその理由もそれぞれに述べなければいけません。
勘違いしてはいけないのは、自分なりに分析することが求められているということです。最終的に賛成か反対かを言うことになりますが、なぜかという理由がしっかりしていないといけないのです。
準備時間は3分、回答時間は2分です。
会話パートの中では、ここと問6がかなり難しいんじゃないかと思います。
問5 友人の相談事にアドバイス
このパートでは、友人が何か悩みを抱えていて、こうしようと思うんだけど、どう思う?と相談されます。まず友人の考えに耳を傾け、自分が思うメリット、デメリットを挙げます。その上で、あなたはこうした方がいいんじゃないかと、自分なりにアドバイスすることが求められます。
問4と比べると、何かデータがあるわけではないし、日常会話の一部として自分の率直な意見を言うのが課題なので、ちょっとだけ息抜きパートのような感じです。ただ、準備時間2分、回答時間1分半と短くなっているので、考え過ぎは良くないかもしれません。
問6 ゼミで発表
大学のゼミが舞台です。教授からとある社会現象、問題を取り上げたグラフを渡されて、こういう状況になった原因、これからさらにどうなっていくのか、それによって社会への影響がどれだけ出るのかを発表しなければいけません。
発表するときに、グラフにある情報を盛り込むことも求められています。まずグラフのテーマと推移を、続いてこの推移の原因とグラフが表す現状を、最後に今後についてと、プチプレゼンのような流れで答えましょう。今回はペーパー版ですが、デジタル版だとこのパートをもっとがっつりやることになります。
準備時間3分、回答時間2分です。単に時間を多くとっているというだけでなく、それだけ内容もヘビーなので、割とあっという間に終わってしまうでしょう。
問7 友人の相談事にアドバイス2
問5とちょっと似ているのですが、友人が二つある選択肢のうちどちらにしようか悩んでいて、意見を求められます。違うのは、問5では友人がこうしたいというオプションが一つしかなかったのに対し、問7では複数から最終的に一つを選ぶというシーンになっているところです。
ここではそれぞれの選択肢のメリット、デメリットを分析することは特に求められていません。自分がいいと思う方の選択肢を、理由付きで勧める流れに持って行きましょう。準備時間、回答時間ともに1分30秒です。
代替策もあり
友人が持っている手札に納得しないのであれば、それらを選ばずこうすればいいと言うことも可能です。もちろん理由は必須です。まぁでも正直ハイレベルだし、あまり時間もない中でオリジナルのアイデアを出すのはリスクが高いので、あまりお勧めできるものではありません。
おすすめ対策教材
まず不可欠なのが、いわゆる模擬テストになっているHueber社の “TestDaF Musterprüfung”シリーズです。本当は1から5まであるのですが、2024年1月現在、数冊品切れがあるようです。とりあえずはあるものを購入してテスト慣れしておきましょう。
次に紹介したいのは、Fabouda出版社の“TestDaF-Training 20.15, Vorbereitung auf den Test Deutsch als Fremdsprache”です。
読解から会話までの全パートの問題構成、解き方解説、解き方に慣れるためのトレーニング、模擬テストを1冊にまとめています。特に解き方解説とトレーニングは、それまで分かっているようで見落としていた解答のプロセスを整理するのに非常に役立ちました。
ただ、7年以上前と比べて、価格が高騰しまくっているので、むやみに買えとは言えません。それでもこれのトレーニングパートのおかげで、TestDaFの解き方の基礎を作ることができたので、その効果はすごいと今でも思います。
※これらの教材は、TestDaF対策の記事全部で紹介します。
タンデムも使えるなら使おう
日本に居ながらにしてこれを使える人はなかなかいないと思いますが、万が一ドイツ人の友達が日本にいるなら付き合ってもらいましょう。会話はポイントを押さえる以上に、喋ることに慣れる必要があります。
とにかく言葉を発しよう
最後のパートということもあって疲労はピークのはずです。そしてこの会話のパートがどうやっても後悔が一番残ると僕は思います。それでもすべて出し切るつもりで臨みましょう。これが終わったらしばらく廃人になってていいんですよ。ていうか語学の試験毎度毎度長すぎ…。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
別のブログも読んでいただけたらうれしいです。
んでは、また~。
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